ヤマタノオロチ退治の神話で知られるスサノオノミコトは、最も勇猛果敢な神として不動の人気をもつ英雄神です。
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スサノオノミコトの表記は、古事記では建速須佐之男命、速須佐之男命、須佐之男命、日本書記では素盞嗚尊、神素盞嗚尊、建速素盞嗚尊等々、出雲国風土記では神須佐之袁命、神須佐乎命、須佐能袁命などさまざまですが、古事記、日本書記(以下、「記紀」)はスサノオノミコトを皇室祖先神・アマテラスオオミカミの弟で神速勇猛な荒ぶる神と描き、出雲国風土記は須佐の地に御魂を止めた穏やかで平和な須佐の長としてその姿を記し、天孫系の神との血縁関係には全く触れていません。
ヤマタノオロチ説話は記紀に書かれているもので、不思議なことに出雲国風土記にはその片鱗すらありません。